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「和」を伝えるメディアづくり

和テンション 株式会社

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海外に日本の魅力を伝え、世界中に日本ファンをつくりたい。 そんな思いを胸に創刊したフリーマガジン「WAttention」。 和テンション株式会社(東京都渋谷区)は、同誌を軸に日本と世界をつなぐ メディア事業を展開している。同社を率いる鈴木康子氏のチャレンジ経営に迫った。

同社は訪日外国人向けに日本の観光・文化情報を多言語で発行するフリーマガジン「WAttention」を発行するメディア事業を中心にWebサイト、EC、SNSなどの各種媒体を通じて日本の魅力を海外に発信している。

しかし、これまで決して平坦な道のりではなかった。2011年2月に創業した1ヵ月後に3・11の東日本大震災に遭遇、波乱の船出となったからだ。

「初年度は当然、売上はゼロに近く、大変でしたが、日本の良さや魅力をもっと海外の人々に知ってもらいたいという一念で頑張り、13年から売上は前年比50%アップの伸びが続き、軌道に乗りました」

世界の12カ国・地域で現地語版を編集・発行

WAttention誌は創業6年目の現在、日本およびシンガポール、タイ、マレーシア、香港、台湾、インドネシア、アメリカ、フランス、インド、メキシコ、オーストラリアの12カ国・地域で発行され、総発行部数は年間200万部に迫る。同誌はフランチャイズ方式により、各国・地域のパートナーと連携して、現地のスタッフが編集し、現地語で発行している。

ただし、シンガポールと台湾は、自社の編集・発行体制で進めている。日本を訪れる外国人観光客に向けた「WAttentionTokyo」は、英語で「和」の文化と観光情報を提供するフリーマガジンで、季刊(年4回)で発行しており、発行部数は1回8万部にのぼる。

編集方針は「エリアと文化」をテーマにしており、例えば神楽坂特集では、花柳界の面影が残る神楽坂の路地と日本酒をテーマに外国人スタッフが外国人目線で神楽坂を紹介する記事を掲載している。
















女性社員と外国人社員による混成チームを統率する

「当社の社員は総勢14人。パートを含めた実質は16人です。6割が日本人、4割が外国人。女性が約8割を占める女性職場で、年齢は20~50歳代という構成」というが、鈴木社長は20年以上にわたり、シンガポールを中心に東南アジア諸国でメディアの仕事に携わってきた。

それだけに、常勤5人の外国人社員と2名のアルバイトからなる外国人スタッフ(台湾、ドイツ、アメリカ、メキシコ出身)の業務を管理し、日本人社員を含めた混成チームを管理運営する経験とノウハウも豊富である。

「当社は少数精鋭を基本に、女性が活躍するダイバーシティ経営を実践しています。これからはダイバーシティになっていかないと、小さい企業は生き残れない」「また、小さい会社は社員全員が経営者マインドを持って、全員が何でもやることが重要」として、ダイバーシティと全員参加の経営に取り組んでいる。

広告収入に依存するフリーマガジンの仕事は、編集と営業が一体となって進める必要があり、編集と営業が一体で動く体制を組んでいるという。












発行地域の拡大と電子メディアに注力

「世界中の人々を日本ファンにする」という大きなミッションに向け、WAttention誌の発行地域の拡大を図っている同社。

「2020年までに発行拠点を20カ国・地域に増やす目標を掲げています。検討している地域はフィリピン、ミャンマー、アメリカ中西部、スペイン、英国、イタリア、ドイツなどですが、引き合いはそれ以上です」

雑誌という紙媒体に加えて、Web、SNS、ECなどのオンラインメディアの取り組みも始めている。WAttentionWebマガジンは、外国人編集者が海外の日本ファンの心に響く日本文化と観光情報を発信するインバウンドWebメディアと位置づけ、コンテンツの充実、強化に取り組んでいる。

会員登録制のWebメディアは会員情報により得られる属性データをもとに、マーケティングサービスを展開する基盤として活用できる。このため、メディア事業に次ぐ事業に育成すべく注力しているインバウンド・ソリューション事業の有力なツールになる。












現場主義と権限委譲の〝まかせる経営〟を実践

経営者としてのリーダーシップについて、鈴木氏は「松下幸之助は?常に答えは現場にある?と言われました。中小企業の経営者は、いつでも現場に立つことを忘れてはいけないと思います」と現場第一を強調する。

「あとは、任せること。我が社の仕事は先行する事例がないので、人が育ってもらうには、任せることが大切です。自発性を育てないと社長だけが忙しいで終わってしまいます。ですから、自発性のない社員には時にはプレッシャーを与えています。そうでないと中小企業は大きく発展できません」

「編集部員には日報を書かせています。10人以上になると、編集スタッフがいま何を企画し、取材、編集しているのかを互いに把握できないので、日報での業務情報の共有は不可欠です。外国人スタッフにも日本語で書いてもらっています。また、営業教育のために社員全員がお互いの営業活動を学ぶ取り組みも実施し、社員の営業マインドとスキルアップを促進しています」。

日本と世界をつなぐゲートウェイをつくる

同社は2017年2月に、タイ法人を設立した。初の現地法人であり、雑誌の編集・発行業務だけでなく、日本企業のアジア進出を支援する事業を展開している。タイに続いて、台湾の現地法人も準備中だ。

アジア進出サポート事業は、既にシンガポールのショッピングセンターの展示場にてブース出展、展示即売会、飲食の試飲・試食会の開催などを支援し、テストマーケティングの機会を提供するなど、BtoB対応の支援事業を展開している。日本と海外をつなぐ世界一のゲートウェイ・メディアを目指す挑戦は、これから本番を迎える。



和テンション株式会社
代表取締役社長 鈴木康子氏

「小さい会社では社員全員が経営者のマインドを持って何でもやる。
そうしないと、会社を支える幹が太くならない」





Company Profile
所在地: 東京都渋谷区渋谷2-3-8 倉島渋谷ビル401
T E L: 03-6418-5701
設立:  2011 年2 月
資本金: 950 万円
売上高 :1 億2000 万円
従業員 :16 人
U R L: http://www.wattention.com

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