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製造 × イノベーションによる成長 多品種・少ロット生産を武器にOEMで市場開拓
島根、東京、沖縄の三極体制で急成長を遂げる

株式会社アルプロン

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アルプロンは島根県出雲市で創業した健康食品メーカー。プロテインのサプリメントが 後発ながら好調で、健康ブームにも乗り、今では上場を視野に入れるほど急成長を遂げている。 島根、東京、沖縄に拠点を持ち、それぞれ研究開発と製造、企画開発と販売、 Webマーケティングと顧客管理を担当している。地方企業のハンデをまったく感じさせない 急成長の秘密を探った。

プロテインをメインに急成長を遂げる

アルプロンは島根県出雲市で2001年に創業した健康食品の製造販売会社。プロテインなどスポーツサプリメントを中心に急成長中だ。しかし、いきなり急成長を遂げたわけではない。当初はアルプロン製薬の社名でβグルカン(多糖物質、強い免疫賦活作用、制癌作用を持つとされる)の製造販売事業に取り組んでいた。

04年に経済産業省のベンチャー開発支援事業に認定され、同省の補助を受け、島根大学医学部産学連携センター地域医学共同研究部門との共同開発で高純度βグルカンの開発に成功。さらに翌年、島根県の新産業創出プロジェクト(健康食品)の補助を受け、βグルカンの食品としての安全性に関する試験を実施した。

しかし、この分野では大手に伍して市場を開拓していくことは難しいとの判断から、プロテインの製造販売を中心とした健康食品事業に転換。これが同社飛躍のターニングポイントとなった。東京に企画販売会社を設立して、スポーツクラブやトレーニングジムをターゲットにOEM事業を展開。その一方でインターネットを利用した通販で売上を拡大してきた。

昨年11月には製販統合し、株式会社アルプロンとして再スタート。東京本社が企画開発と販売、島根工場が研究開発と製造、沖縄ラボがウェブマーケティングと顧客管理を担当する三極体制を構築して事業を展開している。そのためか、島根を拠点としていることについては特にハンデを感じることはないという。

「困ることはないですね。出張の時に時間がかかることくらいです。土地は安いし、人材も集めやすい。行政も協力してくれます。直接、口に入れるものを作っている会社としては、何より水や空気がよい、というのが大きなメリットです」

と代表取締役社長の坂本雅俊氏は言う。

高品質にも関わらず低価格にこだわった商品

同社の主力商品であるプロテインの特徴は高品質な点だ。ダブル膜処理という製法によりタンパク質含有量92.6%を実現している。「同クラスのプロテインと比較しても高い数値」(坂本氏)という。

そして、それにも関わらず低価格なのがもう一つの特徴だ。自社工場を持ち、原料調達から販売まで一貫して行うことにより、徹底したコスト削減を実現。また、「毎日利用するものだから、できるだけ安くなければならない」という坂本氏の考えのもと、薄利多売に徹していることも大きい。

そのため、大手製品より約20%も安い価格に設定しているという。自社ブランドが約150アイテムあり、スポーツ量販店や薬局チェーン、スポーツクラブチェーンなどで売られている。同時に注力しているのがOEM提供だ。現在、スポーツ量販店、薬局チェーン、スポーツクラブチェーンなどの健康関連企業を中心に約300アイテムのプロテイン商品を提供している。

「当社製プロテインの品質の高さが評価され、健康関連の企業からプライベートブランドをつくりたいという要望が頻繁に舞い込むようになりました」(坂本氏)。

プロテイン市場では後発である同社工場では、もともと多品種・少ロット生産を得意としている。これまで培ったノウハウを活用し、OEM相手先企業の要望に合わせた商品を提供できることが同社の強みとなっている。


















健康ブームの高まりでプロテインがイメージ一新

一昔前まで、プロテインといえはボディビルダーが筋肉をつけるために使用するものというイメージが強かった。しかし、健康に対する意識が高まり、運動不足解消のためにスポーツジムに通う人や健康食品を日常的に使用する人が増えた。今ではプロテインのイメージは以前とまったく違うという。

いうまでもなく、プロテイン=タンパク質は体を維持するために欠かせない栄養素の1つだ。健康のためにプロテインを日常的に使用するという人はもちろんのこと、美容目的、ダイエット目的で使用する人が増え、それにつれて同社の業績も右肩上がりで伸びていった。

今年から、現地の販売代理店と契約を結び、台湾市場にも打って出た。今後、同じようにしてタイ、ベトナム、中国にも進出する予定だ。また、国内では、今年7月にスポーツ量販店と共同開発した戦略商品IZMO(イズモ)を投入する。同社のプロテインに関するノウハウ・経験をふんだんに盛り込んだ自信作だ。

「今でこそ毎日たくさんの注文をいただくようになりましたが、会社を設立してから何年間は注文や出荷が無い日が何日も続くなど、厳しい状況が続きました。しかし、安くて良いものを提供し続ければ、必ず世の中で受け入れられるという信念で取り組んできました」(坂本氏)。


多品種・少ロット生産が可能



遺伝子検査事業も展開地方企業のハンデなし

新規事業にも乗り出した。遺伝子検査がそれだ。専用の検査キットで口腔内の粘膜を採取して送ってもらえば、1~2カ月で生活習慣病などの発症リスクを分析、レポートのほかに予防のための運動プログラムや食事プログラムも提供するというものだ。分析は福岡にある自社ラボで行っている。

「今のところ生活習慣病がメインですが、年内を目途に癌の遺伝子についても分析できるようにしたい」と坂本氏は展望を語る。遺伝子検査市場は現在急成長中だ。当面の目標は売り上げ1億円とのことだが、近い将来、同社の事業を支える大きな柱にしていく考えだ。会社全体としての売り上げは約9億円。再来年には株式公開も予定しており、そのための準備を進めている。

「来年の売り上げは20億円、再来年は40億円と年率200%の伸びを見込んでいます。東京オリンピック開催の2020年は、100億円企業を目指します」(坂本氏)。

健康食品市場はアメリカが5000億円、日本が400~500億円といわれる。しかも、今後、アメリカ市場は年率10%、日本市場は15%程度の伸びが予測されているという。

「アメリカ市場は、今後10年間伸び続けるだろうと言われています。となると日本市場では20年間は伸びるのではないか。そもそも栄養素はタンパク質、脂質、糖質しかありません。先進国になればなるほど糖質や脂質をカットする傾向が強まりますが、糖質や脂質の代わりにカロリーを摂取できるのはタンパク質だけ。ですからまだまだ伸び代が期待できる市場なのです」。

アルプロンの急成長は、まだたまだ続きそうだ。



アルプロンの公式サイト
http://www.alpron.co.jp






代表取締役社長
坂本雅俊氏


「島根県雲南市は何より水や
空気がよい。口に入れるもの
をつくっている会社として何よ
りも大きなメリット」







CompanyProfile
株式会社アルプロン
島根県雲南市加茂町南加茂1204-1
設 立:2001年
T E L:0854-49-8286
資本金:1億9980万円
売上高:9億円
従業員数:50人
http://www.alpron.co.jp

東京本社(企画開発/販売事業部)
東京都港区浜松町1-25-13
浜松町NHビル8階

沖縄ラボ(Webマーケティング部/顧客管理部)
沖縄県那覇市銘苅3-1-312-B号

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